第7回 胃癌取り扱い規約について

 

胃の勉強をする機会がありました。当時の内容ではありますが、その記録を残しておこうと思います。意外にもかなりボリュームがあるので数回にわけて掲載します。カテゴリの「胃」を参照して下さい。


目次


 

 

 

胃癌取り扱い規約とは

本規約では、粘膜面からみた胃癌の形態を0型から5型に分類しており、0型については早期胃癌の肉眼型分類を準用した亜分類法が定められている。
同規約 13 版までは、0型 (表在型) に分類されるI 型とIIa型の区別については、隆起の高さが正常粘膜の2倍以内のものをIIa型とし、
それを越えるものがI型とされていたが、
14版では隆起の高さが2-3mmまでのものをIIa型とし、それを超えるものをI型とすることが一般的であるとの記載がある。

 

複合型は、より広い病変から順に+記号でつないで記載する。胃癌のほとんどが腺癌であることから、腺癌を一般型、その他の癌を特殊型と定めている。

悪性上皮性腫瘍の部分を抜粋したものである。個々の胃癌の組織型は、一般型に示されるように分類し、これを亜分類するときは、量的に優勢な組織像に従うことと定められている。

 

深達度

胃壁深達度とは別個に判定するものとしているが、深達度は必ず併記する。

X 線読影診断では、組織学的表現に準じて

M、SM、MP、SS、SE、SI を用いることが一般的である。

ここでの M(層) には粘膜筋板が含まれるが、粘膜筋板を MM と記載し粘膜 (M) と区別することもある。

また,SM(粘膜下層) への浸潤を亜分類する場合は、粘膜筋板から 0.5mm 未満のものを SM1、それ以深を SM2 とする。

 

 

胃癌の肉眼型分類

(1) 基本分類

0 型   表在型     
癌が粘膜下層までにとどまる場合に多く見られる肉眼形態


1 型   腫瘤型     
明らかに隆起した形態を示し、周囲粘膜との境界が明瞭なもの


 2 型   潰瘍限局型    
潰瘍を形成し、潰瘍をとりまく胃壁が肥厚し周囲粘膜との境界が 比較的明瞭な周堤を形成する


3 型   潰瘍浸潤型    
潰瘍を形成し,潰瘍をとりまく胃壁が肥厚し周囲粘膜との境界が不 明瞭な周堤を形成する


4 型   びまん浸潤型   
著明な潰瘍形成も周堤もなく、胃壁の肥厚・硬化を特徴とし、病巣と周囲粘膜との境界が不明瞭なもの


5 型   分類不能      
上記 0-4 型のいずれにも分類し難いもの


(2)  0 型の亜分類


0-I 型 隆起型     
明らかな腫瘤状の隆起が認められるもの


0-II 型 表面型     
隆起や陥凹が軽微なもの、あるいはほとんど認められないもの


0-IIa 表面隆起型       
表面型であるが、低い隆起が認められるもの


0-IIb 表面平坦型
正常粘膜にみられる凹凸を越えるほどの隆起・陥凹が認められないもの


0-IIc 表面陥凹型       
わずかなびらん、または粘膜の浅い陥凹が認められるもの


0-III 型 陥凹型    
明らかに深い陥凹が認められるもの

 

(胃癌取扱い規約第 14 版 金原出版 より引用)

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