第1回 胃の肉眼的解剖

 

胃の勉強をする機会がありました。当時の内容ではありますが、その記録を残しておこうと思います。意外にもかなりボリュームがあるので数回にわけて掲載します。カテゴリの「胃」を参照して下さい。


目次


胃は消化管

 

胃は消化管に分類される嚢状の腹腔内管腔臓器であり、左横隔膜の尾側、肝臓の左側、膵臓の腹側に位置する。胃の上部は左横隔膜下で食道に、下部は肝下面の後腹膜で十二指腸に連なる。入口と出口は狭く、途中がふくらんでおり、多くは鈎形である。食道に連なる付近を噴門部、十二指腸に連なる付近を幽門部という。

 

噴門と幽門

 

噴門は第10あるいは第11胸椎の高さ、幽門は第1腰椎の右側に位置し、胃は主に噴門部と幽門部の2点で支えられている。
全体は左側に弯曲しており。噴門から幽門までがふくらんでいる左側が大彎、逆に反った右側が小彎である。胃辺縁の大部分は緩やかな曲線として観察されるが、噴門切痕と角切痕と呼ばれる比較的急な屈曲部がある。
体表面からみると胃は通常、胸骨下縁のあたりに一致するが、その位置や大きさには個人差がある。
例えば、胃が骨盤腔まで達することもある。

 

胃の粘膜

 

胃には、食道から十二指腸にかけて数本の皺襞がある。


皺襞は粘膜ヒダと呼称されることが多く、以下粘膜ヒダと表記する。
胃体部の大彎側では、粘膜ヒダが多く丈も高い。粘膜の表面には、円形ないしは多角形の小隆起が観察され胃小区という。
様々な大きさと形の胃小区があり、小区の中には胃小窩が点在している。
小区を取り囲む溝を胃小溝という。
部位や観察手段にもよるが胃壁の厚みはおよそ5mm から10mm 程度である。

内腔側より、粘膜層・粘膜下層・固有筋層・漿膜に分けられる。

粘膜およびその直下の粘膜筋板を併せて粘膜層という。壁の断面を見ると。
粘膜層は白く薄い層として肉眼的に観察することが出来る。粘膜下層は粗な結合織からなり、血管、リンパ管、神経が豊富に存在している。

 

-

© 2024 いっかくじゅうネット Powered by AFFINGER5